
注意すべきこと
精油は、自然から抽出されたものとはいえ、濃縮された化学物質であることには違いありません。扱いにはある程度の知識と注意が必要です。
原液のまま使わない
精油は皮膚刺激を起こす可能性があります。原則的に原液での使用は避け、適度な濃度に希釈することが望ましいでしょう。
希釈した場合でもアレルギー反応を引き起こすおそれはあります。使おうとする濃度でブレンドしたオイルでパッチテスト(目立たない場所につけて24時間は様子をみる)を行って、反応が出ないことを確認してから、使ってください。
※アレルギー反応はまれに3日ほど経過してから遅れて反応が出る場合もあります(一次反応の場合)。
光感作にご用心
精油に含まれるクマリンという物質を皮膚につけて直射日光にあたるとシミの原因になることがあります。クマリンが含まれる精油の代表は、ベルガモット、ライムなど柑橘系精油(グレープフルーツ、レモン、オレンジなどにも微量含まれます)。柑橘系以外では、アンジェリカルート、セロリシード、ジンジャーなども要注意です。これらの精油を皮膚に塗ってから12時間以内には日光にあたらないようにしてください。
濃度・使用量に注意
精油はたくさん使うと、毒性をもたらすことがあります。通常の全身マッサージで濃度2.5%までを目安に。毒性の強い精油は、比較的安全な精油に少量だけブレンドするようにします。
また、目や口内、膣などの粘膜は通常の皮膚よりも敏感です。精油を使用するならごく低濃度で。できるだけ、アロマウォーターを活用しましょう。
継続使用を避ける
同じ精油やブレンドを継続的に長期間使用すると、皮膚刺激、アレルギーなどの副作用などが起きるおそれがあります。2~3週間を目安にして異なるブレンドに切り替える、精油を使わない「おやすみ期間」を設けるなど、工夫してください。
※その他の禁忌事項については、よくある質問と回答 (18) をご参照ください。
妊婦さん、赤ちゃんは、濃度に気をつけて!
赤ちゃん、妊娠中のアロマセラピーは使ってはいけないオイル、適当な濃度など、通常のアロマセラピーとは少し線引きが違いますので、知識と経験をもった方のアドバイスが必要でしょう。また、授乳中のおかあさんも母乳を通してエッセンシャルオイルの成分が赤ちゃんのからだに入りますので、使うオイルと濃度、使用法には注意が必要です。
※福島の個人的体験をつづった 実験記録 妊娠編、実験記録 育児編 をご参照ください。
※妊娠中の禁忌事項については、よくある質問と回答(19) をご参照ください。
保存は冷暗所で
精油は冷暗所で保存してください。必ずしも冷蔵しなくてもいいですが、夏場は冷蔵庫に避難させたほうが安心です(特にモノテルペン類を多く含む柑橘系オイル。ローズオイルなど冷蔵すると固化する精油もありますが、常温に戻せば使えます)。
酸化した精油は成分組成が変わっており、皮膚刺激・光感作などのリスクが高くなります。ニオイ、味、見た目に異常を感じたら、使用をやめて、家事用にお下がりさせましょう。
また幼児・子供の手の届かないところに置きましょう。
※詳しい保存法については、よくある質問と回答(20) をご参照ください。
ピュア精油を選んで
さまざまなブランドの精油が市場に出回っていますが、人工的に調合されたフレグラントオイルは香りを楽しむには十分ですが、国際ナチュラルセラピー協会(INTA)が提唱するアロマセラピー用に適していません。
一見、精油のように宣伝されていても人工的に偽和されたものもありますので、購入前に天然のピュア精油であることを確認しましょう。
はじめてアロマセラピーを試す方には、目的別に調合された アロマブレンド がオススメです。